海外野球 トライアウト情報

このサイトを作ろうと思ったきっかけ

アメリカ野球、特にマイナーリーグの雰囲気が好きで、留学中からマイナーや独立リーグの観戦を続けて、もう10年以上になります。皆さんも御存知の通りアメリカの野球場はフェンスが低く、選手と容易に喋る事が出来ます。選手だけで無く、トレーナーやコーチ・監督、球団スタッフとも簡単にコミュニケーションが取れ、南部にある某2A球団のトレーナーとは そんな球場での話がきっかけで、一緒に食事をしたこともあるくらいです。また、アジア人が珍しい 田舎の地域の試合ではこちらから喋り掛け無くとも 暇を持て余しているブルペン待機中のピッチャーなどは向こうから話し掛けてくる事もあります。たまに私の事を容姿で判断してCPBLやNPBのスカウトと間違える おっちょこちょいな選手も存在します。

長年、マイナーリーグ観戦を続けていると その土地、その土地で野球大好きおじさん・おばさん 所謂ベースボールフリークたちと自然に仲良くなっていきました。彼らはボランティアで 試合のお手伝いをしたり、選手のホストファミリーを引き受けたりと、アメリカのマイナーリーグでは絶対に欠かせない人達です。また、彼らはマイナーリーグの情報にも精通し、会うと必ず面白い話・為になる話を聞かせてくれます。

ある日、lowレベル独立リーグの試合に行った時の事です。いつもの様に緩い雰囲気の中、選手たちと喋っていたら一人の日本人選手がいました。その選手は ややホームシック気味だった為、堰を切ったように異国の地で孤軍奮闘する辛さや、夢に向かい それを乗り越えて行く決意を語ってくれました。久し振りに日本語を目一杯話す事が出来、次第に彼の表情から安堵を読み取れるようになりました。話の最中で私は彼の口から“エージェント”(時に“代理人”や“ブローカー”と呼ばれる事もあるが同意)なる存在を耳にしました。聞けば、この独立リーグのトライアウトを受けるのにエージェントに手数料としてウン十万円も支払ったとの事です。中古車が買える程の額です。そのリーグの給料は週給50~60㌦で シーズンは三ヶ月間しか行われませんから フルに在籍したとしても700㌦程度の収入にしかなりません。マックスで700㌦の収入の為にウン十万円も支払った事に大変 驚きました。

この事をベースボールフリーク達に話すと皆一様に驚愕と困惑の混じった顔で「crazy!」と言うのです。もし彼に英語が理解できたならば、リーグ公式サイトに直接行き、情報を読み取り自分で申し込めば必要のないお金だからです。中にはエージェントを非難するアメリカ人もいました。

私には選手が悪いのかエージェントが悪いのか わかりません。
エージェントが選手のお金を騙し取っているのではなく、双方合意の上、需要と供給に基づいてお金が授受されているからです。選手だって英語が解らないが、それでも夢を追いかけたい気持ちでお金を払った筈です。一見、馬鹿馬鹿しく思える話にも当事者には相応の事情があるので私には誰を非難する資格もありません。正直、物事の上辺だけを見て直ぐに自分の価値観や尺度で他人を批判するアメリカ人(勿論 全員がそうでは無いが)が好きになれません。

ただ、何かすっきりしないモヤモヤ感はありました。いくらなんでもウン十万円はやり過ぎだし、そもそも日本人選手がアメリカ独立リーグに挑戦しようと決意した時点で、金銭的にアメリカ人選手よりも負担を強いられます。飛行機代、移動費、食費、宿泊代、これらは通常 アメリカ人選手には考えなくてよい費用だからです。また、英語が解らないからといって、情報アクセスに制限があるのも良くないと思っていました。アメリカでは多種類のトライアウトが実施されており選手は自分のサイフの中身や都合に合わせて受検しているのが普通です。対して日本に入ってくる情報はその中のほんの僅かで 選択の仕様が無く、選手が数少ないトライアウトに合わす、といった状況がずっと続いていました。機会はフェアにあるべきだと考えるのにフェアではありませんでした。そんな状況が是正されれば、との思いを込めてWorld Stage Baseballを立ち上げました。